TIBOR公表停止

TIBORがなくなるのかという問い合わせが突然複数入ってきたので何かと思ったらTIBORのTSRについての話だった。パネル行5行のうち2行が離脱し、残り3社となっていたが、うち一行は今月末でレート提供を終了するので2月1日からはTIBOR参照のTSRの公表停止が提案されている。

以前は上下二社のクォートを除外して平均をとっていたが、2社しかないとレートが信ぴょう性に欠けるものになり、市場操作の可能性が高くなってしまう。もはや銀行がレートを提供してインデックスを作成するというのは困難になったと言えよう。後継金利は、おそらくTONA+スプレッドという形になるのだろう。

とはいえ、TIBOR参照のTSRを使った取引は極めて少なく影響は限定的だと思われる。TIBOR自体は残るものの、ZTIBORは2024年12月末の公表停止が既に既定路線になっている。流動性もTONAの方がかなり高くなっているのでTIBOR取引をするには余計にコストがかかるようになってきている。こうなると、コストを気にする市場参加者のTIBORの使用はますます限定的になっていくのではないだろうか。

一部TIBORの使用を継続したいというニーズは残るのだろうが、それは取引コストとの引き換えになるかもしれないということを念頭に置いておく必要があろう。