金融の未来を考えるブログ

  • Basel III Endgameのインパクト
    FRBのBarr副議長から、米国Basel III Endgameの緩和についてのアナウンスがあり珍しく日本の新聞でも報道された。大銀行に対する資本負荷の増加が当初の19%から9%に減るだろうとのことで、かなりの譲歩とな … 続きを読む
  • 米国ストレステストの結果に対する不服申し立てが初めて認められた
    GSがFRBのストレステストで資本増強の必要性が示唆されていたが、その後の不服申し立てを受け、FRBが修正を受け入れることとなった。早速GSからはその旨のアナウンスメントが出されていた。ストレステストの結果が公表された際 … 続きを読む
  • 米国バーゼルIII Endgameの修正が意味するもの
    米国のBasel III最終案について、早ければ今月9月19日にも詳細が明らかになるという報道が相次いでいる。今回は金融業界サイドのロビー活動も、訴訟を含む前例のないレベルで展開されており、資本規制強化はアメリカ一般市民 … 続きを読む
  • 8月に起きた市場変動に対するBISの分析
    先月8月5日の市場変動についてのBISの分析ペーパーが出ている。基本的には各種報道されている通り、キャリートレードの巻き返しが主要因としている。株式や各種オプション取引も、急激な市場変動がないということを前提としたストラ … 続きを読む
  • Basel III Endgameが大幅緩和される?
    英国局は、米国での規制の状況を見極めるため、銀行資本改革を少なくとも2016年1月まで延期する予定だと報じられた。先にEUが同様の延期を発表しているため特に驚きではないが、金融業界で注目を集めてきたバーゼル3エンドゲーム … 続きを読む
  • AI時代の取引執行コスト
    引越し、車や不動産の売買その他あらゆるサービスで相見積もりを取るのが一般的だが、金融取引でもこれはある程度同じである。しかし、だからといって自分の行いたい取引を数多くのディーラーに聞きに行くと、マーケットを動かしてしまう … 続きを読む
  • 日本国債市場の電子化は進むか
    米国債のT+1化、清算集中規制への動きなど、米国債をめぐる環境は大きく変わりつつある。もし日本で同じような国債のクリアリングが義務付けられれば、オペレーション面での懸念がクローズアップされそうなものだが、取引の2/3が電 … 続きを読む
  • キャリートレードとは
    今回の8/5に起きた株式市場の暴落後、キャリートレードが打撃を受け、そのアンワインドが市場の動きを加速させたという記事が目立った。その後市場が回復すると、今度はヘッジファンドが円キャリートレードを復活させたという記事も出 … 続きを読む
  • Eurexが清算基金を15%引き上げ
    EurexがDefault Fund Operational Bufferというものを9月から導入することとなったが、あまり好意的に受け入れられていないようだ。 先月7月9日に公表されたESMAのCCPに対するストレステ … 続きを読む
  • 米国におけるクロスマージンの拡大
    Getting to Grips with Treasury Clearingという題名で、ISDAから米国債のCCPでの清算集中規制に関して見解が示されている。一例として、FICCとCMEが米国債と金利先物で提供してい … 続きを読む

「金融の未来を考えるブログ」への7件のフィードバック

  1. JSCC LIBOR廃止に関して「レートが確定していても、変換日にPaymentを迎えていないLIBOR参照のキャッシュフローについてはTONA-OISとして金利計算、支払いを行うとある」
    とのことですが
    ISDAのは①FIXINGされてものはLIBOR、12/31以降はFALLBACK利用する➁すでにFIXINGされていれば次回のリセット日までLIBOR利用できるイメージでしょうか

    弱小銀行でLIBOR廃止対応することになって、周りに聞けなくてご教示のほどよろしくお願いいたします。

    1. はい。私もその理解でした。Libor Fixingが終わっていれば、それをRFRに後で変更しないという理解です。

      なのでCMEのやり方は相対取引と整合的になり望ましいということだと思っていました。実際のプロトコルを確認していないのですが、もしどなたか違っていればご教授頂ければと思います。

  2. いつもブログを拝見させていただいております。ありがとうございます。
    数点、XVAデスクに関して質問させていただけますと幸いです。
    ①以前の投稿で、「XvAデスクが金融機関の命運を握る」と記述されておりましたが、今後も当該デスクは金融機関にとって重要なポジションである続けるとお考えになりますでしょうか。また当該ポジションが将来的には需要が消失してしまう可能性に関していかがお考えになりますでしょうか。理由や背景なども含めてご教示いただけますと幸いです。
    ②XvAデスクに対する興味関心が高く、将来的に社内異動などで行ければと考えております。当該ポジションの転職市場等における扱いに関してはいかがお考えになりますでしょうか。また基本的には銀行(商業銀行)と証券会社において設置されるチームであると考えますが、銀行と証券会社におけるXvAデスクの役割の違いに関してもご教示いただけますと幸いです。
    ③XvAデスクに仮に異動出来たと仮定して、どのような経験を積むことが出来れば将来的に市場価値が高い人材になることが出来るとお考えになりますでしょうか。また普段の業務の中で管理人様が感じる業務の醍醐味と大変な点に関してもご教示いただけますと幸いです。

    海外ではXvAデスクの導入がかなり進んでおり、業務経験者も多いイメージですが、日本ではまだまだ発展途上で、業務経験者も少なく情報がなかなか獲得できないというのが実情です。
    上記3点に関してお手すきの際にご回答いただけますと幸いです。
    よろしくお願いいたします。

      1. 管理人様

        当該質問をテーマとして取り上げていただきましてありがとうございます。大変参考になりました。

        XvAトレーダーは業務の範囲が広く、そもそものデリバティブ取引に関する知識に加え、マーケット慣行、担保取引、CCP、金融規制(特に証拠金規制やバーゼル規制)、金融機関のバランスシートや資金調達を含む会計知識など様々な知識が要求され、知的好奇心を擽られる大変興味深い業務であることを改めて理解出来ました。

        引き続きよろしくお願いいたします。

  3. いつも記事を大変参考に見ています。一旦質問があり、いわゆる『この取引はバランスシートを使う、バランスシートコストが高い』というのを聞くのですが、具体的に1.どのような取引がバランスシートを使う取引なのか、2.その取引を行った時のバランスシートコストとはどのように計算されるのか、3.関連する規制についてお伺いできればと思います。

    1. いつもご愛読ありがとうございます。
      確かに現場では一般的にバランスシートを使うという言い方をしてしまうのですが、厳密には幅広い意味が含まれていると思います。バランスシートなので国債や社債を銀行勘定で持つとか、レポを行うというのが最もバランスシートを使う取引になります。一方スワップなどはMTM分がバランスシートに乗るので(一部PFEが含まれることもありますが)、国債を保有するのに比べたバランスシートのUsageは低くなります。
      バランスシートの計算方法は指標によって異なりますが、その国の会計規則によって決まります。米系であればGAAPによるバランスシートがメインなのですが、広義にSLRなどのレバレッジエクスポージャーをバランスシートの意味に含める人もおり、私も無意識のうちにSLRをバランスシートの意味で使っていることが多いかもしれません。厳密にはバランスシートではないですが、もっと広げてBasel3 Standard、Basel3 Advanced、CCARなどを含めるケースもあり、GSIBスコアなども含めて使う人もあるかと思います。関連する規制は会計規則とレバレッジ比率規制が主ですが、人によってはNSFR、LCR、その他Basel関連の指標を含める場合もあります。
      あまり厳密に定義せずに使ってしまっていましたが、私の場合は基本は会計上のBSであるももの、たまにSLRを加えるくらいのイメージでした。

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2012年から金融規制・市場最新動向をお届けしてきました。今般アメブロから引っ越してきました。