マーケットでは、TONA vs SOFRの通貨スワップやTONAベースのSwaptionなどの取引もちらほら見られはじめ、いよいよ移行が本格化する。とは言え、この段階になってもシステム、オペレーション的に準備ができていないところもあるだろうから、一旦TIBORに流れる動きもあるかもしれない。ひょっとしたらTORFに期待していたのかもしれないが、今年中にTORFの流動性が急速に上がるとは個人的には思っていない。早急にOISスワップに移行すべきだろう。
変換に際しては元のLIBORスワップと同じRoll dateと計算期間を保ちたいとしている。また、3s6sのようなベーシススワップについては、3month OISと6month OISのようなスワップに変換するのではなく、3m OIS vs 固定金利、6m OIS vs 固定の二つのスワップに分けるとのことだ。この方がコンプレッションがやりやすいからなのかもしれない。
2021年12月31日以前にCHF、GBP、JPY、USD LIBOR取引をRFRにコンバートする予定となっており、他のCCPと概ね同じようなやり方になりそうだ。RFRは当初のLIBORスワップと同じ計算期間(Observation Period)で決済日が後ろにずれる標準RFR取引となり、ISDAのFallbackで発生するスワップのようなObservation Period Shiftがない。
変換時のスプレッドは、過去5年間のヒストリカルスプレッドの中央値で、価値評価がずれる場合は現金受け渡しによって決済する。ただし、LIBOR vs LIBORのベーシススワップについては、コンバージョンをせずに現金決済をするとある。つまり3か月LIBORと6か月LIBORのような取引は3m RFRと6m RFRのベーシススワップに変えるのではなく、そのまま解約する方法を導入するということのようだ。