欧米当局が矢継ぎ早に規制延期を表明

昨日金曜にイギリスも各種規制導入の一時延期を発表した。2020年のストレステストについては既に延期が決まっていたが、いくつかの規制について追加でしばしの延期が認められる。

それぞれの内容についてはあまり詳しくないが、当局への報告、システムの頑健性を確保するための要件、デフォルトのリスク評価といった分野での延期が主で、いずれも、重要度がそれほど高くないもののように見える。

それより大きいのはバーゼル資本規制の導入に関して柔軟な対応をする可能性があるというコメントをしたことだ。当然LIBOR改革についても何らかの延期があるのではないかという噂にもなっている。ISDAのLIBORフォールバックを巡るコメント期限も3/25から4/1へと若干延期になった。

更に、米国当局から木曜に出された声明文も今後のマーケットには重要である。金融危機後、銀行は資本や流動性バッファを積み増してきたが、そもそもこれらのバッファはこのような危機的状況に備えて積んできたものであるので、銀行が家計やビジネスを支えるためにそれを使うことはやぶさかではないという内容となっている。これは極めて全うな方針で、市場の安定に役立つ。

証拠金規制のIMフェーズ5は延期しないというコメントも併せて出ていたが、フェーズ6を設けたことにより一部延期済になっているので、こちらは予定通りの導入でもそれほど影響は大きくないだろう。

このように欧米当局から様々な情報発信が行われており、官民一丸となってこの危機に対応しようという雰囲気がみられる。これに乗じて金融機関サイドが勝手な行動を取らず、社会的役割を果たし、本来の規制の在り方を議論できるような素地が出来上がることが望まれる。

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