米国規制緩和の影響が日々の取引に表れ始めてきた。まずは米国レバレッジ比率規制であるSLRの緩和によって、米系のバランスシート制約の余裕が生まれたことにより、米系のレポ取引が増えている。このブログでも過去に何度か紹介したように、米国MMFとの取引においては、フランス、カナダ、日本などの銀行がシェアを伸ばしており、メインであるべき米系金融機関のシェアは低位に止まっていた。
各種バランスシート規制と、規制資本対比のリターンの低さから、米国の取引でありながら米系銀行が取引できないという皮肉な状況が続いていた。しかし、3年ほど前から米系が徐々にシェアを伸ばし、直近では過去最高を更新し続けている。15年前くらいには米系のシェアが3割程度のシェアだったのだが、ものが、2022年頃は5%近くにまで下がっており、BNPパリバなどの欧州系の独壇場となっていた。しかし、それ以降米系のシェアが復活し、再び3割近いレベルにまで戻ってきている。バーゼルIII最終化案が3月に出てから、この傾向に拍車がかかっているようにも見える。つくづく規制の影響は大きいということを再確認させられる。

ちなみに、FICCで清算される取引も以下のように着実に増えており、これはスポンサーモデルの影響が大きい。FICCのシェアは約4割程度になっているが、これには米系がスポンサーモデルによって持ち込んだ取引も含まれているので、米系のシェアはさらに高くなる。米国債レポの清算集中義務化が始まれば、このシェアがさらに高くなる。

個別の銀行のデータをOFRのデータから確認してみると、米系はほとんどが取引を増加させている。特にJPMの増加が著しい。CCPへの集中に併せて、各種オペレーションプロセスの自動化やシステム化を進めているので、薄利多売ながら地道に収益を上げるという、株式取引や短期の為替取引と同じような方向になっていくのだろう。
特に米国はオーバーナイトの取引、しかも双方向のネッティングが効きやすい取引が多いため、大量の取引を効率的に処理する能力がキーとなる。米系がバランスシート制約により食い込んでいなかった頃は、マニュアル対応でもある程度ビジネスが伸ばせたが、今後は装置産業化が進むと思われるので、システム投資が圧倒的に少ないところは、さらにシェアを失っていくことになるだろう。