元旦から世界食糧争奪戦の現場というニュースを見た。円安等の問題はさておき、日本が商売相手として面倒くさいのが問題と書かれていた。ものを欲しがるくせに金をケチる。要求が度を越している。ちょっとでも瑕疵があれば報告書を出せ、改善計画書を出せと居丈高に要求すると。それならつべこべ言わず金を出してくれる中国に売るということで、食料がかなり中国に流れてしまっているとのことだ。
金融業界では常に言われてきたことだが、これはどうやらあらゆる業界で言われている日本の特徴なのかもしれない。金融では改善計画書ならぬ「経緯書」という名前で呼ばれるが、今では海外でもKeiishoと言えば通じることが多くなった。海外ではこんなものを出すよう要求する人はまれだが、日本では必須である。
例えばフェイルというのは有価証券の引き渡しが遅れた場合には次の日に繰り越されるという市場慣行だが、日本では事務ミスと認識して出禁にするところがある。あまり海外では聞いたことがない。
国際的な契約社会においては、書面で約束することに対して慎重になるため、なかなか具体的な内容に踏み込めないのだが、four eyes check(4つの目、つまり2人でダブルチェックをすること)を徹底するなどと書かれたものが多いようだ。更にミスが起きると6 eyes checkにするなどという冗談みたいな話も聞かれる。内容というよりは書面で詫びるというプロセスが大事という側面もあるのだろう。
それでも日本だけは特殊だからと必死で対応してきたが、そろそろ日本切り捨て論が強くなっているのをひしひしと感じる。同じことは金融だけでなくあらゆるところで起きているようだ。
やはりミスや失敗を許さない文化というのがあるのだろうか。日本に経済力があった時は問題なかったが、ここまで国際的なプレゼンスが落ちてくると、いつまで過剰サービス対応を貫けるのだろうか。