証拠金規制IMビックバン

証拠金規制のIMビックバンであるフェーズ6の9/1が近づいてきた。コロナショックやウクライナ情勢による市場変動から、フェーズ6対象となる会社数が増えているようだ。中国のネッティングと担保が有効になりそうということも、対象会社の増加につながっている。中国についてはまだオピニオンが出ておらず、ネッティングは問題ないものの、担保のEnforcabilityについては未だ不透明という見方がある。

IMの金額が$50mmを超えない場合はIM規制から免除されるが、それが本当に$50mmを超えないよう日々モニタリングをしていかなければならない。急速な市場変動によってボラティリティが上がれば、これが$50mmを超えてしまう可能性がある。ISDAの予想ではフェーズ5の300社に対し、フェーズ6の対象会社は775社とのことだ。

日本の証拠金規制は前々年の4月から前年の3月までの店頭デリバティブ取引の想定元本を見るが、米国規制などでは5月末に3か月平均でみる。米国利上げベースの加速や、コモディティ価格の急変同、急激な円安もあり、デリバティブの取引量は増加している。市場急変によって急にIM Thresholdを超えてしまう可能性もある。カストディアンのセットアップやIM授受のオペレーションを急に準備するのは難しいので、ある程度早めに対応を検討しておく必要があろう。