IBORからの移行タイミング

IBORフォールバックプロトコルの批准が進み、一体いつからレートが変更されるのかと聞かれることが多くなってきた。

プロトコルの文言上はIndex Cessation Effective Dateからということになるのだが、これはIndex Cessation Event(LIBORがなくなるか、LIBORが指標性を失ったというアナウンスメント)の後になる。

このIndex Cessation Eventは客観的に判断できなくてはならなず、プロトコル上は細かく規定されているが、要は当局から何らかの公式なアナウンスがあった時ということになろう。

そしてその日(Index Cessation Effective Date)から、個々のLIBORがAdjusted RFR + Spread Adjustmentに変更される。

Adjusted SOFRは、例えば1か月USDLIBORだったら、オーバーナイトSOFRの30日間の後決め複利計算となる。スプレッド調整は、SOFR(日次複利)とLIBORの差の5年間の中央値で計算される。

本当は2営業日の調整とかテナー毎の調整等が入るので、もう少し複雑なのだが、おそらくトレーダーは、各LIBORのテナー毎に日々5年中央値をアップデートして、スプレッド調整がどこに収斂するかをチェックしているはずである。

5年間のうちかなりの部分が明らかになってきているため、理論的にはIndex Cessation Eventが発生した時の収益インパクトはそれほど大きくならないはずだが、ここで損が出ないよう引き続きモニターしていく必要があるだろう。

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