ターム物RFRの構築はいつか

IBA(ICE Benchmark Administration)から、米ドルSOFRのターム物金利が試験的ではあるものの年末までに利用可能になるというコメントがあった。FTSEやCEMも同じような時間軸で見ていて、既に試験的なタームレートを提供しているCMEも、ベータ版を今年後半にリリースすると発表している。

ARRCも各社からの提案受付を9月に始め、来年前半には公表を始めたいとしている。後決め複利のSOFRよりは、ターム物を選好する声も大きいことから、ターム物の構築が進むかどうかはLIBOR改革の鍵となっている。ローンや証券化商品、社債市場にも影響を与えるので、この動向には注目が集まる。

ARRCとしては、ターム物の発展には流動性向上が必要としているが、10月に予定されているCCPの割引率変更やCMEの先物の取引量拡大に応じて、今後流動性が上がっていくのではないかと期待されている。英国でも似たようなことが起きているが、直近の動きを見ていると、SOFRのような新レートを参照したOTC Swapよりも先物の流動性向上が先に起こり、ターム物の構築へとつながっていくという流れのようだ。ベンチマークプロバイダーの中には先物データを利用していないところもあるようだが、この辺りも徐々に変わっていくかもしれない。

日本ではQUICK社が既に試験的な公表を始めているが、未だこれを利用した取引はほとんどみられていないものと推測される。日本の場合は先物というよりはOTCの取引からレートを構築していかなければならないものと思われるため、市場参加者の積極的な協力が不可欠になるのだろう。