マネージド型シンセティックCDO復活の兆しがあるようだ。既に2017年ころから、せいぜい2年か3年という短期のスタティック型シンセティックCDOは少なからず取引されていたが、ここへきて、マネージド型かつ期間の長いものに注目が集まっている。JPM、野村、BNPの名前が挙がっており、第一四半期中には取引が行われる見込みとReutersが報じている。CDO(Collateralized Debt Obligation)は、資産担保証券の一つで、ローンや社債などから構成される金銭債権を担保として発行される証券化商品だが、シンセティックとつくと、CDSを裏付けとしたCDOになる。
CLOが規制の影響で伸び悩む中、CDOが若干形を変えてある程度の復活を遂げるのは、ほぼ既定路線のようだ。確かにここまで利回りを得るのが難しくなると、CDOにニーズが集まるのも無理はない。金融危機で痛い目にあった投資家には未だアレルギーもあるだろうが、それほど長い取引でなければ、投資ニーズは一定程度あるだろう。ただし、マネージド型となると、ポートフォリオ入れ替えのコストが発生するのと、昨今の流動性の中でそれが頻繁に可能なのかというハードルも残る。以前のような格付を付与した債券の発行も、担保コスト、XVAコスト、ファンディングコスト等を加味すると以前よりは簡単ではないだろう。また、金融危機後に導入された規制により、CDOポジションをそのまま抱えると、銀行は追加資本賦課を受けたり、レバレッジ削減を行わなければならない。投資家も単なる社債に投資してデフォルトした場合と、CDOで損失を被る場合はサラリーマンリスクはかなり異なる。
こうした事情から、特に日本ではこの販売額が伸びるとは思いにくいが、まずは海外でどのくらいの規模で発行が伸びていくかに注目したい。