金融に求められる人材

South China Morning Postに金融機関の人材需要についての記事があった。オンラインバンキングへの移行に伴い、金融機関に求められる人材ニーズが変化しつつあり、今後求められている人材と既存のスキルを持った人材にミスマッチが現れているようだ。香港とシンガポールで1000人以上の採用ニーズがあるとのことだ。

求められているのは、規制を理解し、テクノロジーの知識に長けた人材で、オンラインサービス業務を推進できる人材とのことで、既存の銀行員のスキルとは合わないとのことである。またウェルスマネジメントの分野の人材獲得競争も加速しているようだ。

最近では金融に関しては日本よりアジアを含む海外の方が変化が早いので、日本でも起きているこの現象は加速していくものと思われる。というよりは、こうした人材を海外で雇用した方が世界の流れについていくには適しているだろう。

そうなると、今後は海外の人材をいかにマネジメントしていくかというスキルが必要になる。自動翻訳等により言語能力が必要なくなるかと思いきや英語はますます重要になっているようで、この点でも日本が不利な状況は続いてしまうのかもしれない。仕事の仕方も変えていかなければならなくなるのだろう。

HKのCCPが日本の銀行のために通貨スワップのクリアリングを提供?

日本の金融庁がHKEX(Hong Kong Exchange & Clearing)の子会社であるOTC Clearに対してポストトレードサービスを日本の銀行に行うライセンスを許可したとのことである。

とりあえずは決済などポストトレードサービスとのことなのだが、HKEXとしては、将来的に日本の銀行から需要の強い通貨スワップも手掛けたいとのアナウンスを出している。

HKEXは最近急速に取り扱い取引量を増やしており、メンバーになる大手銀行の数も増えてきている。LCHが通貨スワップの精算ではなくSwapAgentにシフトしたので、通貨スワップのクリアリングとなると日本のCCPが最初に手掛けることになると思っていたのだが、HKからこのようなニュースが出てくるのは意外だった。

従来から行っているUSD/HKDのような通貨に限定されると思われるが、日本の銀行からUSDHKDの需要がそんなに強いとも思えず、いったん決済の仕組みを作ってしまえばUSDJPYにも拡大することは技術的にはそんなに難しくないのではないだろうから、将来的にはドル円通貨スワップにも進出ということになるのだろうか。いずれにしてもHKEXのクリアリングサービスについてはあまり詳しくなかったのでちょっと調べてみる必要がありそうだ。