EUREXのLIBOR移行プラン

各CCPのLIBOR移行の詳細が明らかになってきた。一昨日3/11にEUREXからもプランが公開されている

2021年12月31日以前にCHF、GBP、JPY、USD LIBOR取引をRFRにコンバートする予定となっており、他のCCPと概ね同じようなやり方になりそうだ。RFRは当初のLIBORスワップと同じ計算期間(Observation Period)で決済日が後ろにずれる標準RFR取引となり、ISDAのFallbackで発生するスワップのようなObservation Period Shiftがない。

変換時のスプレッドは、過去5年間のヒストリカルスプレッドの中央値で、価値評価がずれる場合は現金受け渡しによって決済する。ただし、LIBOR vs LIBORのベーシススワップについては、コンバージョンをせずに現金決済をするとある。つまり3か月LIBORと6か月LIBORのような取引は3m RFRと6m RFRのベーシススワップに変えるのではなく、そのまま解約する方法を導入するということのようだ。

そしてLIBORスワップはその後清算非適格となる。このコンバージョンのタイミングや手法、そして法的な解釈等の詳細は今後アナウンスされるとある。これについては、2020年12月の市中協議の結果も踏まえてなされる。

これはEURについての市中協議だが、EONIAから€STR flat(つまりスプレッドを加えない単なる€STR)への一括変換で、価値変化分は現金決済するという案が支持されている。変換日は2021/11/19が提案されているが、大多数がこれに賛同したとある。とは言え、それより早いタイミングを望む意見も多かったようで、結局2021/10/15金曜とその後の土日という提案になっている。当然他のCCPとの調整みあるだろうが、円についても10月から11月くらいのタイミングを意識しておく必要があるだろう。その他、円も含めたFRAを清算非対象とし、短期のスワップとして存続させることについても触れられている。

詳細については更なるアナウンスを待つ必要があるが、各CCPで変換の手順や変換後のスワップに違いが発生すると混乱が生じる。通常CCP同士で調整をすることはあまりないのかもしれないが、ここまでの大きな業界全体の変更となると、やはりCCP間で調整し、極力同一の方法で変換できるように調整をしてもらうのが望ましいだろう。