ASIAのLIBOR移行の遅れが目立ってきた

アジアではなかなかLIBOR対応が進まないという報道がRisk.netに連続して出ていた。確かに欧米に比べると日本を含むアジアではどうも期限が近いという切迫感がない。

各種メディアで報じられている通り、アジアでも数多くのドル債が発行されており、その金利指標をどうするかは、全ての発行体にとって一大事のはずなのだが。

少なくともこれまでに発行した社債のFallback文言がどのようになっているかは分析しているとは思うが、発行時期によって様々なバリエーションがある。例えば、非常に古いものになるとScreenに表示されたレートを使うといったものから、Dealer Poll(ディーラーに提示してもらう)を取ってその平均を取るとか、Pollを取って最後のLIBORで固定するとか、Determination Agent、Calculation Agentになっている銀行がReasonable DiscretionやAbsolute Discretionで決めるというものなどがあるかと予想される。中央銀行等によって決められた代替レートを使うという文言も見たことがある。

数年前に発行されたものであれば、何らかのフォールバック文言が入っているかもしれない。直近のものであればARRCの推奨文言が入っているだろう。ISDAのDetermination文言が使えるものもあるだろう。

さすがに来年1月1日くらいからはUSD LIBOR参照の社債発行はなくなり、標準フォールバック文言を入れていけば良いので新規についてはそれほど心配はないのかもしれないが、既存の社債について全く社債権者に働きかけを始めていないということになると、かなり先行きが懸念される。

とは言え、こうした対応を一般企業の財務担当者が行うのは、かなり大変だろう。社債発行企業を集めたセッションか何かが本当はあった方が良いのかもしれない。

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