さて、JPY LIBORに話を戻すと、次はFSBのロードマップのP5にもあるように7/31のQuoting Conventionの変更がある。USDも7/26に同様の変更が行われるが、海外では、LIBORスワップを行うときは、まずはSOFR Swapを行い、LIBOR vs SOFRのベーシススワップを入れるという方向で話が進んでいる。ただし、円については何故かここまで具体的な話は聞かれてこない。ひょっとして日本では、特に気にせずLIBORスワップが続けられることになるのだろうか。
確かに二つのスワップをしなければならないとなると資本賦課も上がり、管理も面倒なので自然とOISに移っていくことになるが、これが変わらないのなら、逆にOISスワップをするときにLIBORスワップとLIBOR vs OISの二つのスワップをブックしなければならないとなると、移行のきっかけにもならないのではないか。単に二つのレートのスクリーンがありますよ。でもOISがメインですよ。という緩い感じのConvention Changeではあまり意味がないような気が個人的にするのだが。。。
長らく間議論されてきたCMEの証拠金モデルの変更が今年第四四半期になりそうだ。COVIDによって先延ばしになってきた変更がようやく導入されることになる。SPAN(The Standard Portfolio Analysis of Risk)は1988年から証拠金計算に使われており、日本でもJSCCとCMEの間でライセンス契約が結ばれ、先物・オプション取引の証拠金所要額計算にも使われている。世界で32の取引所で採用されている手法なので、日本を含めて世界中にインパクトを与える。
Rolling Lookbackは常に過去何年かといった期間をずらしていくので、極端な市場変動の時期が外れてしまうと証拠金額が大きくぶれてしまう。こうしたブレを緩和するために、一定のフロアを設けたり、ボラティリティを調整することによって、極端な変動が発生しないようにしている。商品によっては季節性を考慮したりもする。仮想シナリオを含めるのも良く使われる方法だ。