夜中にLIBOR移行に関するグローバルコールがあった。こんな状態ではあるが、やはりLIBOR改革担当となった人達は、責任感に燃えて、家から多くの人が参加して活発に進捗を議論している。
一日中コロナ対策でてんやわんやになっている人は、ごめん、今それどころではなくて作業が進んでいないと言ってしまうのだが、当局から期限が切られている以上、LIBOR改革担当にとっては当然面白くない。
3月25日に、英国FCA、英国中銀からは、LIBORからの移行について期限の延期はないと高らかに宣言されてしまったのでなおさらだ。一応今後の状況によっては、タイミングについても影響があるかもしれないというリスクヘッジのコメントはついていたが、金融機関サイドは延期がないという前提で準備を進めなければならない。
Euromoneyが主張しているように、今は多くの銀行員がLIBOR改革に時間を使うよりは、このコロナショックのおかげで苦境に陥っている中小企業からの貸出要望に応えるべく、ローン担当者を全力投入すべきなのだろうが、各銀行でそんな判断はできない。何か緊急事態宣言が出せない日本のような状況になっている。
記事にもあるように国際的な連携のもとガイダンスが出されることが切に望まれる。LIBIOR改革はシステム改訂や契約変更の他、全顧客との対話が必要になる。顧客サイドも、こんなことで電話してもそれどころではないという反応が多い中、とてもでないが完全な準備ができるとは思えなくなってきた。この状態で無理やり移行すると何か事件が起きるような気さえする。通常規制延期には消極的なのだが、今回ばかりはちょっと様相が違うと感じている。
また、リーマンショック後の金融規制のおかげで、銀行はリスクを取れなくなっており、今回のショックでもそれほど危機的状況に陥っているという声は聞こえてこない。今朝の新聞の記事がうまくその状況を描写していると思う。通常日本のメディアではあまりまともな金融関連記事は見たことないのだが、この記事の内容はその通りだと思う。おそらく8年間で初めての日本語記事のリンクを付けた気がする。
一つ不安なのは、第一四半期の銀行決算発表で、海外大手銀行が軒並み高収益だったりしたら、火事場泥棒のように金融機関不審が高まるのではないかという点だ。規制強化とともに会計規則も強化され、益出しや益の先送りが海外では不可能なので、この可能性は高いのではないかと思っている。