JPMがCCP向けの担保管理業務をスタートアップであるBatonに外注というニュースが出ている。Batonとの話は他のディーラーを含めて以前から話があったが、カストディアンに近い業務を手掛けていたこともあるJPMが採用したとなると、こうした動きが一気に加速するかもしれない。複数のCCPに拠出している担保を効率良くほぼリアルタイムで決済することが可能になる。
JPMはこれによるコスト削減効果を公表していないが、Batonによるとコストが半減してもおかしくないとのことだ。また、コスト削減以外にも、効率的に現金を動かすことにより、利子収入が20-25bp上昇するとのコメントもBatonはしている。
確かに、規制により流動資産の重要性は増しており、米国レポ金利急騰に際しては、JPMトップが規制を批判するコメントも出していた。流動性の重要性を痛いほど理解している銀行としては、こうしたところで流動性負担を軽減できるのであれば、単なるコスト削減以上の効果があると見込んだのかもしれない。
CCPに対する担保拠出額が急上昇している中、LCH、Eurexを含めた10にも上るCCPをつないで流動性確保をするというのは、確かにメリットが大きいかもしれない。
こうした動きは日本では遅れがちだが、今後の金融の行方を考えると、早めに対策を立てておいた方が良い分野かもしれない。