昨日、日本円金利指標に関する検討委員会第21回会合資料が公開された。公開と同時にBloomberg上で、9月末に新規円スワップ停止のヘッドラインが出てマーケットがざわついた。
遅くとも9月末までに新規取引を停止すること、前倒しが可能であれば9月末を待つことなく積極的な対応を進めることとある。気配値提示も7月末にはLIBORからTONAに移行すべきとされている。個人的には若干遅い感もあるが、時期が明確になったのは望ましいことである。
もともとローンと債券に関しては6月末で停止というガイダンスになっており、デリバティブ取引についても何らかの目安が示されるだろうというのはある程度予想されたことであったが、驚きをもって迎えた市場参加者も多かったようだ。いずれにしても来年1月からはLIBOR公表停止なので、たとえ時期についてガイダンスが出なかったとしても、今年後半には移行が始まるのは想定通りである。
マーケットでは、TONA vs SOFRの通貨スワップやTONAベースのSwaptionなどの取引もちらほら見られはじめ、いよいよ移行が本格化する。とは言え、この段階になってもシステム、オペレーション的に準備ができていないところもあるだろうから、一旦TIBORに流れる動きもあるかもしれない。ひょっとしたらTORFに期待していたのかもしれないが、今年中にTORFの流動性が急速に上がるとは個人的には思っていない。早急にOISスワップに移行すべきだろう。
新規取引がシフトしていくと、当然過去の取引とのミスマッチが生じてくるのでレガシー契約の移行作業も進んでいくことが想定される。各種統計データを見ていると、OIS Swapの取引量はこれまでほとんど増えてきていない。個人的な予想としては、来週以降一旦TIBORが活発化し、徐々にOISが増えていくという流れになると思っている。