SWAPTIONのLIBOR移行対策

LIBOR改革に関連して、デリバティブ取引の割引率変更時に利益や損が出たときに、それを現金でやり取りして相殺するかどうかについて市場では活発な議論が展開されている。特にスワップションについての話題が多い。

金利スワップがCCPで清算されるようになったため、スワップションの権利行使時にスワップが発生すると、それがCCPで清算される。つまり相対の取引なのだが権利行使時にCCPでクリアされ、CCPの割引率で評価される。以前のスワップションでは、どこのCCPで清算されるか、その割引率は何かなどは事前に合意する必要はなかったが、昨今ではこれが重要な取引条件の一部を構成するようになっている。

LIBOR改革によって、こうした不透明性を避けるために今年の3月30日にSupplement 64が公表された。3月30日以降に行われた新規取引が対象になっており、割引率(Agreed Discount Rate)と、CCP(Mutually Agreed Clearinghouse)をコンファメーションで指定することになっている。

ARRCの当初案では、割引率変更時にその差額を現金でやり取りすることが推奨されていたが、実際にEONIAからESTRへの変更時にはこの現金の交換を行わないところが多かった。今般ARRCから新たなRecommendationが出されたが、10月16日までにこのCash Compensationを行うかどうか合意できなかった場合は、3/30以前の取引であってもSupplement 64の対象とするように契約を変更することが推奨されている。

なかなかわかりくいRecommendationだが、要はこれまでの損益をやり取りする推奨をあきらめ、市場慣行が変わらない限り当事者同士の判断に委ねることにしたという判断と受け止めている。

わざわざARRCがそのスタンスを変えてきたということからも推測されるように、実際にCash Compensationを行うという市場慣行があと一か月で確立する確率は低いため、当初の契約通りに契約を履行しCash Compensationを行わないということになるという結末が最も現実味を帯びているのだと思われる。

コメントを残す