FCAのSchooling Latter氏の発言以降LIBORからの移行時期に関する話題ばかりになってきているが、LIBOR Discontinuationのアナウンスメントが、早ければ今年の11月か12月に来るかもしれないということで、それまでのプロセスに注目が集まっている。発言の中では12月の最終週とも言っていたように記憶しているのだが、確かに11月か12月とも言っていたので早い方のタイムラインが報道では主に使われているようだ。
いずれにしてもプロセスとしては正式なアナウンスの前にIBA(ICE Benchmark Administration)が市中協議を行うことが求められている。市中協議ともなると、市場参加者からコメントを集めて取りまとめる必要があるので通常数か月かかるのが一般的である。そうなると9月頃というのが大方の市場予想のコンセンサスになりつつある。
この市中協議の内容自体はそれほどControvercialなものにはならないだろうが、どの通貨、どのテナーが含まれるかという点に注目が集まる。おそらく当然のようにUSDとGBPは含まれるだろうが、ひょっとしたらJPYが除かれることはないのだろうか。また、日本だけ遅らせようという動きは出ないのだろうか。
これまではUSDとGBPが先行して移行準備が進んでおり、日本においては単にその行方を見守っているという立場を取る人が多かったように思う。日銀・金融庁のDear CEOレターで若干作業を始めたところもあるかもしれないが、海外に比べると格段に遅れた動きになっている。決済などについても欧米のように短いタイムフレームでの決済が難しいことから、時差の問題と相まって、細かいオペレーション面の調整に手間取っている。システム整備もお世辞にも進んでいるとは言い難い。この状況の中市中協議を行えば、JPYだけ遅らせて欲しいという意見が殺到する危険性があるかもしれない。
確かにこの状況の中頑張って顧客にLIBOR改革の説明に行っても、なかなか理解が得られないばかりか、詳細な説明や質問を全顧客から受ける羽目になってしまい、相当な労力を費やすことになってしまう。緊急事態宣言ではないが、やはりお上から何か宣言が出ない限りは動かないというのが日本の企業文化なのだろうか。