LIBOR移行が最終段階に

10/16の週末のCCPによるEONIAからESTRへのシフトが近づいてきた。CME、LCH、Eurexの主要CCPが一斉に新レートへ移行する。100兆ユーロ超の金融資産を支えてきたベンチマークの切り替えはLIBOR移行の試金石となる。既にメンバーテストも終わっているので、大きな混乱は起きないものと思われるが、現場ではそれなりに緊張が走る。

EURの場合はEuriborも残っているので若干ややこしい。9/21のRFR Firstにより、GBP、JPY、CHFについてはスムーズに新レートに移行した。一方、EURについては、マーケットの状況を見ながらということになっており、特に移行が強く勧められたわけではない。とは言え9/21以降ESTR vs SOFRの通貨スワップの取引量が増えており、SDRで見る限りESTR/EURの取引数がEuribor/USDLIBORを上回った日もあった。個人的にはもっと移行が進んでも良いと思っていたのだが、今のところEuriborもしぶとく取引が続けられている。

USDLIBORが18か月延長になったとは言え、今後徐々に新規取引が困難になっていくことが予想され、こちらもESTR/SOFRにシフトしていくのだろう。日本の市場参加者がEUR債を発行するときなどはEURの固定レートを円の固定レートに変換するためには、Euribor、通貨ベーシススワップ、6s3sなど様々なヘッジ取引が必要になっていたが、これがシンプルになる。

日銀のウェブサイトに掲載されている日本円金利指標に関する検討委員会のアナウンスにもあるように、昨日10/1からは、新規の円LIBOR金利スワップ、スワップション等が禁止となっており、ここからはLIBORスワップの流動性が低下していくことになろう。このアナウンスによると、リスク管理目的等での新規取引が除外になっており、顧客に取引目的の確認までを求めるものではないと書かれている。

仕組債などの移行もようやく最終顧客が真剣に検討を始めた感もあり、何とかLIBOR移行も参集段階に入ってきたようだ。