Basel III緩和について

Basel III endgameに関して、G-SIB surchargeを緩和するというCFTC議長のコメントがRisk.netで紹介されている。これは今週三日間に渡って開催されたISDAの年次総会でのコメントだが、こうやって報道されるとかなり市場関係者に期待を与える内容となっている。

実際に会場で発言を聞いていた時には、ここまで強く発言したような印象は受けなかったのだが、確かに報道されたような発言はあった。やはり発言の一部を文字にすると若干印象が異なるということを再認識した。

クリアリングが望ましいことであることには疑問の余地はなく、それを推し進めて行きたいというのは本音だろう。クリアリングのエージェントモデルがこれまでと同様の扱いになるのであれば、クリアリングブローカーにとっては朗報である。

規制がここまでクリアリングへのシフトを促しており、米国債やレポの清算集中規制も導入されるが、その一方でクリアリングの資本チャージを増やすというのは矛盾している。質問の仕方がうまかったのかもしれないが、さすがにクリアリングをリスキーなものとして資本チャージをかけるという論理はなかなか説明が難しい。

今後2、3ヶ月の間に最終修正案が固まるとの発言があった。この記事よりは若干悲観的にみているものの、少なくとも何らかの緩和策は出てくるだろうから、今後の動向に注目が集まる。

それにしてもISDAの年次総会は相変わらず活況であり、デリバティブの世界ではやはり一年に一度の一大カンファランスと言ってよいだろう。円安の影響もあるが参加費もISDAメンバーで25万円程度、メンバー外で30万円近くと高額になり、スポンサーに求められる金額も相当なものである。その分内容は充実しており、業界関係者のネットワーキングもできるので非常に有意義であった。色々とコストが厳しい世の中だが、長く続けてもらいたいものである。来年はアムステルダムだが、できれば参加してみたいものだ。