LIBOR改革に関し海外当局の焦りが手に取るように感じられるようになってきた。今日のNY時間には米国ARRC(Alternative Reference Rates Committee)からバイサイド向けのチェックリストが公表されることになっている。欧米では、銀行は当局向けのレポート等も求められているため、ある程度の準備を進めているが、進んでいると言われる欧米でも生保やアセマネのようなバイサイドの準備はかなり遅れているとのことである。方向性がはっきりするまではシステム改定も行えないし、しばらく待ちの状態というところが多いようである。
英国では1月20日にアセマネ業界向けに英国当局であるFCAからレターが出されている。やはりLIBORに関しては英国が一歩進んでいる感はある。既に新レートであるSONIAが存在しているというのも大きい。
日本では、いくつか当局からコメントは出ているが、やはり準備に本腰を入れているところはそれほど多くないような印象を受けるが、2021年末の期限前にLIBORからの移行が強制的に起きる可能性も捨てきれないため、早急な対応が必要だと思われる。日本では本件についてはかなり詳しく勉強している実務家が多く、専門家の間の理解はかなり進んでいる。とは言え、お勉強の段階に留まっている感は否めず、それを行動に起こしているところが少ないという印象を受ける。この場でも実務面にフォーカスしたサマリーを少しまとめてみようと思う。