トークン化証券にかかる資本規制

トークン化証券を銀行が扱うと資本にどのような影響を与えるかというのは、業界の注目でもあった。この度、銀行資本要件において、トークン化証券に追加手当が不要になることを米国当局が明確化したという記事が出ている。トークン化証券を扱ったとしても銀行の資本要件において特段追加的な手当ては必要ないとのことである。一見トークン化証券をサポートするような印象を与えるが、要は既存の金融商品と同じ資本賦課となり、追加の資本負担はないという意味のようだ。

FRBのアナウンスメントによると、米国当局は、自己資本規制において、Technology Neutralな立場を取ると述べているにとどまる。つまり、証券の発行、取引にどのような技術が使われていたとしても、資本規制上の取り扱いは変わらないというニュアンスなのだろう。

ある意味当然なのだが、債券などの既存の資産をトークン化したからといって資本の扱いが変わるわけではなく、原資産にかかる資本コストと同等になる。トークン化証券を原資産とするデリバティブについても、もとの証券と同じコストになるという至極当然に扱いとなっている。

また、担保として使う場合についても言及されており、適格要件を満たしていれば、信用リスクを削減する効果を持つことが明記されており、原資産と同じヘアカットが適用されるとある。

ここで一つ疑問に思うのが、ヘアカットというのは、その資産を現金化する際にかかる期間とその間の資産変動に基づいて決まる。トークン化したからといってボラティリティがそれほど変わるとは思えないが、現金化にかかる期間は短縮される可能性はある。特にT+1とかT+2で決済されているような資産でも、トークン化すれば瞬時に決済することが可能になるため、ヘアカットは低くて良いのではないかという議論が出る可能性がある。ただし、本当に直ちに換金できるかどうかは定かではないので、この辺りは今後の進展を見守る必要がある。

いずれにしても、トークン化資産がデリバティブ取引の担保として使われるようになる日も近い気がしてきた。