CSのクライアントクリアリングサービス部門が、急速に業務を縮小しているようだ。通常は顧客のためにクリアリングした場合に、その顧客分の証拠金によってクリアリングビジネスの規模を測ることが多いが、このクライアントマージンが$25mmにまで縮小したと報道されている。$25mmというとほぼ撤退に近い水準だ。
昨年であればスワップで$14bn、先物オプションで$9bnあったクライアントマージンが$0.025bnになったというのだから驚きだ。アルケゴス、グリーンシル等の問題があったのは確かだが、こうした事例を見ていると、一つのミスが銀行全体の屋台骨を揺るがしてしまうということが明らかになってきている。
いくら他のビジネスで収益が上がっていても、こうしたリスク管理の失敗に対する当局や世間の目は非常に厳しくなっている。せっかく収益を上げても、こうした事件はその影響を一気に吹き飛ばしてしまう。こうなってくると、セールスアンドトレーディングとともにリスクマネジャーの重要性が高まる。また、セールスアンドトレーディングのヘッドにもリスク管理感覚が求められるようになってきている。