EurexとLCHがEONIAからESTRへの一括変更を検討していると報道されている。EURスワップに関しては、6月27日にディスカウントレートが変更になってからも、依然ESTRへのシフトが思うように進んでおらず、ESTR参照のスワップは未だ全てのOISの2%しか取引量がない。Eurexは若干この割合が高めだが、その移行ペースは思ったより早くない。
だが、このまま二つのレートが混在するのは、管理が面倒なのと、CCPにとってもデフォルト時のオークションが問題になる。当然フォールバックがトリガーされ一気に混乱が起きるよりは、それ以前にポジションを移行した置いた方がオペレーション面でもリスクが少ない。
この変更は来年の上半期に起きる可能性が高いが、最終期限を考えるとUSDやJPYのような他の通貨においても同じような時期にCCPが変更してくる可能性が高い。
とは言え、まだCCPにクリアリングされたスワップは、このようにCCPサイドで透明性高く移行が進んでいくため、相対で交渉するよりはかなり楽だ。こう考えると、まずは今のうちから昔の相対取引等クリアリングに移せるものは極力CCPにバックロードしておくのが望ましいのだろう。
CCPとしては、いつまでもレガシースワップが残るのは望ましくないため、一定の期限を設けて一括変更を発表するのではないだろうか。そして、一括変更がオペレーション的に難しいのであればその期限までに徐々に移行を進めていくというのが現実的な流れだと思われる。そう考えると、まずはバックロードは今年後半か来年第一四半期には進めておかなければならなくなる。あまりここまで進んでいる市場参加者は少ないのが若干気になるが。。。