以前コメントした決済フェイルに関する欧州規制の3ヶ月延期が決まった。買い手が資金を期限内に送金しなかった場合、売り手が証券を引き渡さなかった場合にかかるペナルティーの導入が11月から来年2月に延びることになる。この新規制で決められているBuy-inルールに基づくと、フェイルが発生した場合はカストディアンやCCPがその証券を市場価格で購入し、7営業日以内に相手方に引き渡さなければならない。フェイルの元凶となった市場参加者は取引サイズに応じたペナルティーとともに、その取引された市場価格と当初の価格の差額を補填しなければならない。
決済リスクを減らすという意味では望ましい規制だろうが、ここまで市場慣行になっていると市場参加者の行動を一気に変えるのはなかなか難しいだろう。その意味では延期を歓迎する声は多いだろうが、3ヶ月程度ではあまりインパクトはないものと思われる。むしろこの規制をなくすことが不可能ということが明らかになったということなのかもしれない。前回も書いたように、こうした期限を守ろうとする参加者の多い日本ではあまり影響がないのかもしれないが。