金利指標改革の作業終了と今後の課題

ARRCに続いてEuroのRFR Groupも11月13日の会合をもって最後となった。日本においても金利指標フォーラムの活動が終了となったが、第6回の会合の議事録によると、実務者ネットワークを維持するということで、一応フォーラムが存続する形になるようだ。定期的に会合を行うことはないが、当面は日銀からのメールによる情報共有にとどまるとのことである。

米金利については、ターム物SOFRのディーラー間取引の解禁が焦点となっているが、欧州に関してはEuriborの行方が課題として残っている。このため、日本と同様に、何か議論すべきトピックがあった場合は再度集まる可能性もあるとESMAはコメントしている。

デリバティブ取引に関しては半分以上がESTRに移っており、将来的にさらなる移行が進む可能性があるが、キャッシュに関しては、未だEuriborが存在感を保っている。そもそも債券などのキャッシュ商品に関しては、ターム物RFRを第一順位として優先して使うべきとしてしまったのが間違いだったのかもしれない。日本でもターム物のTORFの利用は進んでおらず、ユーロでもターム物ESTRの利用は限定的である。

当面は、Euriborの決定に関して、Liborで起きたような恣意的に金利を操作できることがないように、指標改革を続けていくしかなさそうだ。その意味では日本のTIBORと同じような状況になっている。