成長する中国金融市場

中国のSwap Connectについての市中協議が始まっており、パブリックコメントの締め切りは来週3/4となっている。Bond Connectのスワップ版だが、これが始まると中国オンショアのCNY IRSマーケットへのアクセスが海外に解放されることになる。

中国には様々なライセンスがあるが、既にCIBM Direct、Bond Connect、AFIIなどに参加している投資家はSwap Connectも問題なく使えるものと思われる。契約書としては、中国版のマスター契約であるNAFMIが認められるのは間違いないが、ISDAが使えるのかどうかは、正式にアナウンスがない。しかし、さすがにISDAを排除することはないものと思われ、もしNAFMIに限るということになれば、中国の市場開放が一歩後退とみなされるリスクもあろう。

清算集中の話も進んでおり、中国のCCPである上海クリアリングハウスと香港のHong Kong Exchangeも使えると報じられている。おそらく相互接続などでInteroperabilityを達成しているのではないだろうか。HKのCCPが使えるのであれば、既になじみのあるフローなので手間が省ける。

各種統計をみていると、人民元やCNY IRSのシェアが急速に高まっており、グローバル金融市場における中国の存在がますます大きくなりつつある。Swap Connectの使い勝手が良ければ、一つの大きな市場となるのは間違いなく、アジアでビジネスをする以上は無視することはできない。ここ1、2年は特に中国サイドもグローバルスタンダードに合わせるべく様々な改革を行っている。その影響力の大きさを考えると、取引ができる環境だけでも整えて置いた方が良いのだろう。