日本が長期の休みに入ると必ずと言って程、円のフラッシュクラッシュの記事が海外で出てくる。今回もBloombergの記事で、徳にトルコリラ/円のフラッシュクラッシュを懸念する声が紹介されている。事実、昨年1月3日にクラッシュが起きているので、このような懸念が出てくるのも不思議ではない。
記事によると日本のリテール投資家はトルコリラに最も強気とのことである。ZAR、MXN等のロングも多いので、単に高金利通貨を多く保有しているだけのようにも思えるが、日本の投資家はこうした通貨への投資を他国に比べて多く行っているようだ。
日本の祝日には証拠金を追加できずにポジション解消を余儀なくされ、急速に売りがかさみ、その結果アルゴ取引等を誘発して円高に振れるという懸念なのだろう。
今回は結局何事もなく休暇が終わりそうだが、長期の休みがある度にこのような懸念が寄せられるのは健全ではない。また、資金決済が通常より長く行われないため、Settlement Riskを気にする声も聞かれる。日本の場合はどうしても休暇を長くしようという意識が政治的に働いてしまうのかもしれないが、あまり長期の休みが続く場合は、祝日でも金融市場を開けるとか、祝日がなくても休暇を取りやすくするような方向に舵を切った方が良いと思う。同じ時期に皆が休んでも行楽地は混むだけだし、航空機代やホテル代も高くつく。休みを分散して経済活動を続けていかないと祝日の少ない欧米に比べて不利になったり、投機筋やアルゴ取引の格好の餌食になってしまう危険性もあるのではないだろうか。
1/4追記:フラッシュクラッシュとまではいかないが、一時108円割れの円高が発生し、TRYJPYは18割れ寸前のところまで来ている。やはり流動性の薄い日の円高基調は継続しているようだ。