中国 Swap Connect始動

先月4/28に中国のPRCがSwap Connectのルールブックを最終化したことを受け、稼働開始が近づいてきた。5/15が開始日とみられている。

中国のオンショア金利とオフショア金利にはかなり大きな差があったが、これが手練してくるかどうかに注目が集まる。現時点ではこの差は4bp程度だが、それでも以前に比べればかなり縮まってきた。オフショアの方がb/oもワイドで流動性もなかったことにより、China Access Tradeというオンショアとオフショアをつなぐ取引が行われてきたが、このマーケットに大きな変化が起きることになりそうだ。

一部の制限付きながら、これで海外投資家も中国のオンショアCNY金利スワップ市場にアクセスができることになる。実際の取引はBond Connectと同様にTradewebまたはBloomberg経由で行われる。海外投資家はHKEXのOTC Clearに、中国国内投資家は上海クリアリングハウス(SCH)にフェースすることになるが、OTCCとSCHが相互接続をする形となる。

取引量については、一日CNY20bnという制限が付くが、ネッティング後なので当面は問題のないサイズだろうが、クリアリングリミットはOTCCととSCHのネッティング後でCNY4bnとなっている。感覚的には少し足りない気もするが、今後の見直しも示唆されていることから、取引量が増えてくれば柔軟に変更が行われるものと思われる。

JSCCと同じようにISDAなどのマスター契約がなくてもSwap Connect経由の取引ができるようになっているが、JSCCと同様にDCO登録がないので、US顧客のクライアントクリアリングができない。

オンショアへのアクセストレードは、大手金融機関の収益源になっていたと思われることから、今後のダイナミクスの変化に注目が集まるが、透明性と流動性が向上することから市場にとっては望ましい変化である。

以前日本の金利スワップ市場の規模がAUDを下回って世界5位になったと書いたが、CNYは現在世界10位である。CAD、CZK、NZDを追い抜くのは時間の問題だが、そうなるとJPYも追い越して世界のトップクラスの取引量を占めるようになるのは時間の問題だろう。