米国当局が新資本規制案を最終化

先週水曜に米国当局が大規模銀行に対する新たな資本規制案を最終化させた。これによってシステム的に重要な大規模銀行に対する所要資本が$46bn増えると報道されているが、Quarles FRB副議長が支持して話題になっていたCountercyclical Capital Bufferの導入は見送られたようだ。Stress Leverage Buffer導入も見送られている。

FEDによるとこの新規制により大規模銀行に対する資本賦課は平均的に7%増えるものの、小規模銀行の負担は軽くなり、10%程度の所要資本削減が見込めるとのことである。今年のストレステストは34行に対して行われ、結果は6月30日に公表されることになっている。

一見大銀行に対しては資本規制の強化のように見えるが、規制項目の簡素化等も行われているようであり、基準さえ満たしていれば、FEDの承認なしに配当を上げる等の柔軟な対応が可能になっているようである。

最近はこのように規制緩和なのか強化なのかよくわからないような変更が多い。もしかしたら、銀行に対する規制緩和というと議員や一般国民の受けが良くないため、ヘッドラインとしては厳格化させるように見せておいて、実質的には行き過ぎた規制の修正を進めているのかもしれない。

コメントを残す