米国不動産市況の悪化

コロナショックで不動産市場がどの程度インパクトを受けるかは今後の注目だ。最近の報道では、米国の商業用不動産は、その価値が25%程度減価しているのことだ。ショッピングモール、ホテルなどの稼働率が極端に落ちているので、考えてみれば当然の結果ではある。

CMBSの取引データを見てみても、大型ホテルなどはCMBSに組み入れた時より価値が半分程度に下落しているものもある。ローンの返済が滞っている物件もかなり多くなってきた。これからこうした物件の価値が急速に下がることが予想される。以前泊まったLAのHoliday innも2015年当初に比べ27%ダウンと報道されていた。新しく評価替えをするホテルなどの商業用不動産は、軒並みこのような減価を強いられることになるのだろう。

CMBSに組み入れられている物件のLTVは過去4年で約60%とのことだったが、最近はこれが90%程度になっているようだ。今後さらにこの状況が長引くと、市場混乱が起きてくる水準である。

金融危機時に米国不動産市況が悪化した初期の頃、米国住宅ローン市場に端を発する価格下落は日本には波及しないなどと言われたが、結局時間差で日本の不動産市場に影響を与えた。当然ウィルスの広がりは日本で落ち着いているのだが、結局マーケットはつながっているので、その動向には引き続き注意が必要だろう。

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