米国のLIBOR代替レートは複数候補が併存することになる

先週金曜に銀行監督当局としてはLIBORに変わる代替レートを特定の候補に限定しているわけではなく、銀行が選択できるとコメントしたというニュースが出ていた。基本的には既にこのブログで述べつくした内容ではあるが、ローンにおいてはSOFR以外のレートが使われる方向性を改めて確認したことになる。

ニュース上ではAmeriborのことも書かれているが、実際どのような発言があったのかは、実際の発言内容が見つからなかったのでよく分からなかった。しかし、これでSOFRに一本化するのではなく、複数のベンチマーク併存という方向性が確実になってきたと言えよう。金融機関としては、それぞれのレートについて金利カーブをシステム的に準備する必要があり、複数ベンチマークを用いたポジション評価をしなければならなくなる。

それほど大きな問題ではないものの、通常金融機関はカーブごとにBid Offer VAなどの様々なリザーブを取っていることが予想される。カーブが増えれば、そのカーブに依存したポジションを解消する際にビッドオファーを払わなければならないので、その分のリザーブが必要になるところが多いだろう。

しかしこのままカーブの種類が増えて、各種VAが増え続けるのは、本当に金融の将来にとって有益なのだろうか。複数のベンチマークが併存するのは避けられないのかもしれないが、無用に複雑性が増して、流動性やプライシングが悪化してしまうと、ユーザーの利便性を損なってしまうのではないだろうか。

コメントを残す