日本におけるLIBORからのシフト

JSCCのデータを見てみると、最近いくつかの変化がみられる。まずはOIS取引の増加だ。2018年が16.2兆円、2019年が23.1兆円だったものが、ことし10月までで28.4兆円に増加している。特に10月は6.4兆円と今年最大となり、取引量の多かった3月を上回っている。

もう一つは日本円TIBOR(DTIBOR)だ。8月を除けば、全般的にユーロ円TIBOR(ZTIBOR)と比べてDTIBORの取引量が多くなってきている。短い年限はZTIBOR、長い年限はDTIBORが多い。このまま行くと、今年は一年を通して初めてDTIBORがZTIBORを上回るかもしれない。D-Zのベーシススワップも昨年の2倍程度清算されている。

LIBOR参照スワップは今年はかなり減ってきているが、一部LCHに流れたと思っていたが、最近ではLCHの取引量も減ってきているようである。

TIBORについては将来的なDとZの統合をにらんで、DTIBORへ取引をシフトさせているのかもしれない。また、LIBORがなくなるのに備えて、今のうちからDTIBORにシフトさせる動きもあるのだろうか。

OISの増加は、今後のTORFの流動性確保のためにも望ましいだ。プロトコルの批准も始まり、LIBOR改革のタイムラインも厳しくなってきたため、更なるマーケットの変化が望まれるところである。

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