今後CCPで清算されるプロダクトは増えるか

GSがLCHのNDFのクライアントクリアリング業務を開始することの報道があった。この商品では7社目のクリアリングブローカーということになる。証拠金規制の最終フェーズに向けて当初証拠金規制の対象となるファンドやアセマネ等が相対取引からCCP取引にシフトすることを見込んだ動きと思われる。NDFは一日約2500億ドルと一定程度の取引が行われているが、日本の市場参加者のシェアは大きくないものと予想される。

バーゼルは4月、コロナ感染拡大による業務の混乱を理由に、最終フェーズを遅らせる勧告を行った。これにより、店頭デリバティブ想定元本(AANA)が500億ユーロを超える企業は来年9月にフェーズ5の対象となり、80億ユーロ以上500億ユーロ未満の企業は再来年9月に最終のフェーズ6対象となることとなった。

今のところ現金決済が行われる為替フォワードを対象にする予定はなさそうで、NDFの清算のみが進むことになるが、決済リスクさえ何とかなればFX Forwardの清算も不可能ではないはずだ。これにはCLSとの連携が現状では不可欠だが、このあたりの分野でもFintechの新規参入があれば望ましい。これが可能になれば、通貨スワップの清算も視野に入ってくる。

コロナ環境下の在宅勤務で明らかになったように、日本の市場参加者のシステム対応とオペレーション業務の効率化は世界に比べて格段に遅れている。こうした業務を人海戦術で乗り切るだけの人員を抱えているため、システム投資を増やして効率化しようというインセンティブが働きにくいのかもしれない。

そんな状況の中、CCPが標準オペレーションを確立し、全市場参加者がそれに対応すべくシステム投資をするというのが、日本が一気に海外に追いつく唯一の方法なのではないかと思ってしまう。

日本の企業が外債を発行する際などに行う通貨スワップもクリアリングできないため、カウンターパーティーリスクやCVAの負担が大きくのしかかってくる。Notional Resetがあってもヘッジ会計を適用できるようにして、それをクリアリングし、決済リスクをCLSのような機関と管理するということができれば、日本のスワップ市場の透明性向上には大きく資すると思うのだが。まずはNDFの広がり、そしてその後のFX Fowardの清算可能性に注目したい。

「今後CCPで清算されるプロダクトは増えるか」への4件のフィードバック

  1. 興味ある情報コメント拝見しております。
    CLSはClearedFXという名前でCCP向けの決済サービスを提供しています。まだ限られたプロダクトではありますがLCHが既に利用しています。

  2. いつも拝見しています。
    一点気になったのですが、notional resetがあるとヘッジ会計適用できないんでしょうか?(日本基準の25号ヘッジでは明示的に許容されてるはずなので、USかIFRSの話でしょうか)
    だとすると、interbank市場の大宗の通貨スワップがヘッジ手段として不適格となるのでもはや会計基準がおかしい気もします。

    1. なるほど。勉強になります。End UserとのスワップでNotional Restをお願いすると、ヘッジ会計上不可能と言われたことが多かったのでそうかと思っていたのですが、実際は違うのかもしれません。ご指摘ありがとうございます。

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