ターム物SOFRは主流にならない

インターバンクのターム物SOFRの取引が制限されていることに対する不満の声が大きくなっているが、3/8にFRBの高官から、ターム物SOFRの利用を広く認めることは未来永劫認めないだろうとのコメントがあった。あくまでも限定的な利用に止めるべきであり、これが変わることは考えにくいとのことだ。

当初は今年くらいには利用が広がるだろうと思っていたのだが、この感じだと本当にターム物金利の利用拡大は難しそうだ。LIBORの二の舞を踏んではならないというのはもっともなのだが、不正リスクは限りなく低くなっているように思うのだが、しかたないのだろう。

日本ではターム物金利であるTORFに対して、このようなコメントが聞かれることは少なく、むしろ拡大を期待する声すらある。ただし、顧客ニーズはそれほど大きくないので、あまり問題になることはなさそうだ。

インターバンク市場での取引が制限される以上ヘッジが難しくなるため、ヘッジコストは高くなるだろう。マーケットにストレスがかかればターム物と後決めSOFRのベーシスが大きく動き、大きな損失が発生する可能性もある。ディーラーとしてはその利用に慎重にならざるを得ない。リスクリミットも限定的なサイズになる。レベル3資産になり、資本コストがかさむという問題もある。