インデックス連動ファンドの増加が月末の市場変動を増幅させる

野村BPIなどのインデックスに連動するパッシブファンドが増えてくると、それに合わせたヘッジ等が増える傾向がある。そして月末や四半期末のその日の引け値に合わせてヘッジをすることになるので、一定の時間の取引量が増え、それが市場変動を大きくしている。

特に3月末は感染拡大による市場混乱から流動性が低下し、為替のロールへの影響が懸念された。為替などは3ヶ月フォワード取引などをロールすることが多いが、3月は流動性低下を恐れて少し早めにこのヘッジをする動きがあったと報道されていたが、この6月にも同じことが起きるかに注目が集まる。今のところ3月のような混乱は生じておらず、通貨ベーシスマーケットも落ち着いている。

当然ロールのタイミングを早めると月末や四半期末時点の価格との差が生じ、トラッキングエラーを大きくなる。かといって、その時点での流動性が枯渇していてヘッジコストが大きくなるのであれば、それも問題だ。トラッキングエラーとヘッジコストと比較となると、市場混乱時にはトラッキングエラーを犠牲にしても流動性があるうちに取引をしてしまいたいというニーズもあるだろう。

3月のような早めのロールが大規模に起きるとは思いにくいが、今後は市場流動性を注意しながら取引をするファンドが増えてくるものと思われる。その意味では今週以降のマーケットに注目したい。

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