TIBORの盛り上がりについて書いたが、実際のデータを確認してみたくなった。米国のようなSDRが充実していない日本では、公開されている情報としてはJSCCのデータが最も充実している。早速各指標のシェアを見るグラフを作ってみたところ以下のような結果となった。
データの略称は以下の通り
- L: LIBOR(含むLIBOR6/3)
- Z: ZTIBOR
- D: DTIBOR
- LZ: LIBOR vs ZTIBOR
- DZ: DTIBOR vs ZTIBOR
これだけ見ると、Lの部分がここ数か月急速にシェアを落としており、実はLIBORからの移行が進んでいるように見える。特に5月のOISは昨年の秋を超えて、13%のシェアとなっている。そしてTL(グラフのLZ)が8%へと増えている。4月以降LZが増えているが、同時にDの割合も増え、これまであまり見られなかったDZがみられるようになった。これまでほぼ同じものとされていたところ、あまりに動くのでヘッジのフローが入っているのかもしれない。
4月はOISというよりはTIBOR移行の様相を呈していたが、5月にOISが巻き返しを見せている。Quoting Conventionも来月には変わるので、ようやく動きが見えてきたということか。
全体の取引量を見てみると以下のようになる(単位:百万円)。4、5月は取引量自体が極めて少なかったが、四半期末にあたる6月には少しは取引量が戻るだろうから、6月のデータに注目したい。
日本全体では固定受けニーズが強いというのはよく言われることである。そうするとここ最近のTLベーシスの縮小はLからDまたはZへの移行の結果なのかもしれないが、今度はOISに移るとなると、TLが反転し、今度はOISが下がるということになるのだろうか。