今年のISDAの目標の一つに1998 FX Definitionsの改訂が含まれている。ロシアのウクライナ侵攻を受けて為替市場で混乱が生じたが、これに対応するため、市場標準の確立が望まれている。これはロシアルーブルへの対応にとどまらず、中国や台湾などの取引がどのように扱われるかという点で、アジアにとっても非常に重要である。
米上院議員が米国投資家が日本のJSCCにアクセスできるよう求めたレターをCFTCに送ったと報じられた。また、BlacRockやシタデルなどがメンバーとなっているCommittee on Capital Market Regulation も同様のレターを送っている。日本円の金利スワップの清算を認めることで、米国の顧客の取引コストとリスクを軽減することができるとしている。
一方FRBはPowell議長、Barr副議長ともに辞任することはないと言っているが、これは中銀の独立性を考えたら当然のことではある。それでもBarr副議長は少し前にBasel III Endgameの緩和についてアナウンスをしたばかりであり、今回の委員会でもその立場を貫いている。Yutubeで、別の委員からこの緩和は根拠がない、銀行に屈したのではないかと指摘された際に、緩和を正当化していた姿を見ると、少しリーズナブルにふるまおうとしているようにさえ見える。
これは全世界共通のバーゼルルールだが、米国にはこれとは別のMethod2があり、Substitutabilityの代わりにShort Term Wholesale Fundingが使われている。これは銀行預金、担保付借入など1年未満の短期借り入れが中心になるので、預金を持たず短期資金に頼りがちな証券会社のスコアが大きくなる。もしかしたら野村證券がG-SIBから抜けたのは、バーゼルルールでこのShort Term Wholesale Fundingが入っていないからなのかもしれない。