特に、今やCCPは新たなToo Big To Failと言われるようになってきているので、それぞれの特色を出しながら、多様なクリアリングブローカーが参入してくるのは望ましいことと言えよう。ただし、G-SIBsやレバレッジ比率規制など、大手銀行が不利にならないよう、規制を調整する必要は出てくるものと思われる。
SIMM Version 2.7が公表された。これはISDA SIMMモデルの定期的アップデートだか、今回から2021-2023年のデータが対象となり、2020年のコロナショック時のデータが除かれることになるため、ほぼ初めてといって良いくらい必要担保が減る可能性がある。2008-2009年のデータはストレス期を代表するデータとして残るが、それでもかなりの削減となりそうだ。
FRBのBarr副議長から、米国Basel III Endgameの緩和についてのアナウンスがあり珍しく日本の新聞でも報道された。大銀行に対する資本負荷の増加が当初の19%から9%に減るだろうとのことで、かなりの譲歩となる。資産規模2500億ドル以下の中堅銀行をバーゼル規制から除外するという内容も含まれている。昨年シリコンバレーバンク破綻後から比べるとかなりのトーンダウンとなった。
GSがFRBのストレステストで資本増強の必要性が示唆されていたが、その後の不服申し立てを受け、FRBが修正を受け入れることとなった。早速GSからはその旨のアナウンスメントが出されていた。ストレステストの結果が公表された際には、GSはStress Capital Buffer(SCB)の予想外の増加を受けて自社株買いを抑えるとしていたが、これで資本余力が生まれることとなる。SCB自体は6.4%から6.2%に引き下げられたとのことなので、その影響は小さくない。
英国局は、米国での規制の状況を見極めるため、銀行資本改革を少なくとも2016年1月まで延期する予定だと報じられた。先にEUが同様の延期を発表しているため特に驚きではないが、金融業界で注目を集めてきたバーゼル3エンドゲームの延期が確実になってきた。Until at least Jan 2026と報じられていることから、さらなる延期の可能性もあるかもしれない。