米金利上昇懸念の高まり

景気回復期待と、さらなる米国の財政支出期待の高まりから、米長期国債の金利上昇を予測する声が大きくなってきた。インフレ期待も高まり、10年金利がコロナショック前の2%まで戻るのではという声まで聞かれる。民主党勝利の可能性が高まったこととも関係しているのだろう。

大統領選でバイデン勝利となり、上下院双方も抑えるようなことになると、大胆な景気刺激策を打ち出しやすくなる可能性が高い。上院での民主党勝利の確率も今週になって61%から68%に上がった。

確かに現状のコロナ対策財政パッケージをめぐる混乱を見ていると、民主党が圧勝し上院も握れば、財政政策的にはかなり柔軟性が増すように思う。このパッケージも、政府案は1.8兆ドルということで、先の1.6兆ドルよりは上積みされたが、民主党の2.2兆ドルには届かない。そもそも民主党案は3.5兆ドルだった。共和党議員の反対もあるため、選挙前にこれが合意に至るかどうかは現時点では不透明だ。

あとは選挙後にFEDがどう出るかだが、金利が上がれば、現状の80兆ドルの国債買い入れプログラムに変更を加えてくる可能性が高い。おそらく長期金利上昇を抑えるために長いところの国債の買い入れを進めることになるのだろう。株価への影響も懸念されるが、いずれにしても安全なのは金融株ということなのだろうか。とは言えバイデン政権がウォールストリートに優しい政策をとるとは思えない。行き過ぎた規制を修正する動きが少しずつみられてきたが、この流れが止まるのだろうか。

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