金融政策と為替変動

2019年、株式や債券マーケットの収益がそれほど悪くなかった一方、為替マーケットは本当に動かなかった。FTの記事でも為替の変動幅が1973年以降最も狭かったと報道されていた。過去に似たような状況になったのは1996年、2007年、2014年だが、いずれもその後に大きな価格変動が起きている。今回も嵐の前の静けさということなのだろうか。記事でも述べられている通り、これが起きるかどうかは中央銀行の動きにかかっていると思う。2017年にFEDが利上げに動いたときにも市場変動は大きくなったが、すべてはこの金融緩和が継続するかにかかっている。

その意味では、最近になって金融政策においてはできる限りのことをやっており、後は財政だという論調がマーケットで一般的になり始めているのが気にかかるところである。引き締めとまではいかなくても金融政策が若干でも引き締め気味になれば、これまで溜っていたマグマが一気に噴き出すとも限らない。マイナス金利政策の副作用を懸念する声が大きくなっているのも気になるところだ。

とは言え、米国では昨年のレポ金利上昇によって金融緩和の継続は既定路線となっており、昨日金曜のNY時間に公表された12月の議事録の内容を読んでも、政策変更の可能性は極めて低そうだ。少なくとも年明けしばらくは大きな変動はないということなのだろうか。