第三四半期決算にみる米銀の行動

米銀の第三四半期決算発表の内容を見ていると、銀行行動に変化の兆しがみられる。FRBの債券購入プログラムの縮小を見越してか、資金を債券に振り向ける兆しが感じられる。

バンカメは、高利回りの債券を購入したことにより純金利収入が増えたというコメントしており、Citiも国債とMBSを増やしたと述べている。政府の景気刺激策などにより銀行の預金が増えているが、これを金利収入の得られる債券に振り向けられれば、銀行の収益底上げ要因になる。

一方JPMは、債券というよりは依然現金保有が多い。今後金利が上昇すると予想しているため、これを債券に投資してくる可能性は高い。金利が想定する水準に近づけば現金をもう少し投入する機会が見つかるかもしれないと述べている。

また、現状プライマリーディーラーである20数行程度に限定されているFRBのStanding Repoを、他の銀行にも拡大して提供するというアナウンスメントもあった。すでにいくつかの銀行が申請を行っているとのことである。

今後は銀行にある現金が別のところに回っていくようになるのかもしれない。