先ほど(NY時間5/21)、ARRCがフォワードルッキングなターム物SOFRの管理者としてCMEを選定したと発表した。あとは5/6にARRCが示したガイドラインを満たすほどにSOFRの流動性が上がってくることが完全推奨の条件となる。AmeriborやBSBYなどの代替レートが注目を集めてはいるが、やはりARRCとしてはターム物SOFRを推奨したいということだと思う。
個人的にはAmeribor等は地銀のローン中心に使われるレートになるものと思っていたのだが、バンカメがBSBY連動債を発行し、BSBY vs SOFRのベーシススワップが執行されたりと、意外とその利用度が上がってきている。正直SOFRを進めてきたARRCや当局も困惑しているのではないだろうか。
さて、今後の方向性だが、今回CMEを選定したとはいえ、完全推奨という訳ではないので、キャッシュマーケットのFallbackレートは後決め複利のSOFRとなる。そして流動性向上が認められればターム物SOFRが主流となる。
このウォーターフォールは日本も同じなので、第一順位はターム物、つまりTORFということになる。日本では流動性がないと問題という議論が海外ほどは聞かれず、TORFを使いたいという市場参加者が多い気がするが、先物すら満足に存在していない中、米国を追い抜いてターム物が主流になるとは、少なくとも今年中は考えづらい。
それにしてもCMEはさすがだ。色々なビジネスにおいて先見の明がある。日本で金利先物というとTFXとなるのだろうが、CMEはあまりにも巨大である。何とか日本でも金利先物を盛り上げられないものなのだろうか。不思議と日本では先物というと株式先物とコモディティというイメージがある。唯一JGB先物は長期国債先物だけが取引されているという状況である。このような状況でTORFが主流になるの日は来るのだろうか。