バランスシートの制約から、通常のレポ以外の方法による取引が増えてきた。GSがTRSを、JPMがSponsored repoを使うことにより、バーゼル上の資本制約をクリアしているという記事がFTで紹介されている。これによって年末の資金逼迫解消にも一役買うのではないかという報道されている。Sponsored repoやG-SIBスコアについては以前もこのブログで紹介したが、確かにこれによってバランスシートの拡大を抑えながら取引を継続することは可能になる。
TRSの方は、おそらくヘッジファンド等から国債を購入し、それをMMF等に資金の出し手に売却するとともに、そのパフォーマンスやファンディングコストをTRSの形でやり取りすることにより、経済的にはレポと全く同じ目的を達成するというものだろう。
Sponsored repoは、ヘッジファンド、MMF双方がFICCに置き換わるため、ネッティングが可能になり、バランスシートの拡大を防げる。
おそらく来年以降はこうした形の取引が主流になり、従来型のレポ取引は縮小していくことになるだろう。
Sponsored repoは確かにCCPが取引相手となるため、リスクも少なくなるが、TRSの方は技術的に形が変わっただけなので、規制上の扱いがこうも違うというのは不思議な気もするが、これも規制が作り出した新たなマーケットということなのだろう。