英国中銀のラムスデン副総裁が、新年のResolutionとして非銀行セクターの破綻処理(Resolution)に関する取り組みについて議論をしているというニュースがあった。ヘッジファンドのようなNBFIについてかと思ったらクリアリングハウスの破綻処理の仕組みとある。しかし、スピーチ原文を読んでみると、より広範囲なトピックを扱っている。
シリコンバレーバンクやクレディスイスの例を挙げ、破綻処理はできる限りResponsiveなものであるべきというのが、スピーチの趣旨となっている。頑健な破綻処理体制があれば、銀行の所要ティア1資本を5%程度削減することが可能とのことだ。
とはいえ、今月からは破綻処理計画を策定しなければならない銀行の閾値が従来の150-250億ポンドから250-400億ポンドに引き上げられている。そして閾値近辺の銀行が破綻した場合は他の銀行への譲渡を想定することにより、通常の資本要件以上の準備金であるMREL(Minimum Requirement for Own Funds and Eligible Liabilities)の保持を求めないこととしている。つまり小規模行の負担軽減が図られている。
他にも先月から預金保険の保護限度額も85,000ポンドから120,000ポンドへ引き上げられている。1800万円が2500万円になったようなものなので、日本の1000万円よりはかなり大きい。そもそも日本は、細かい修正はあったものの、40年前の1986年から1000万円である。インフレが一般的な英国では5年ごとに見直しが行われる。103万円の壁が引き上げられたように、これから様々なものを引き上げていかなければならないだろう。
その後確かにCCPの破綻計画についてのコメント、システム上重要なステーブルコインの保有者保護のため、裏付け資産を信託で保有することが検討されている。
全般的に、破綻計画は重要としているものの、小規模行に優しい変更や、預金保険限度額引き上げ、資産保護の検討など、規制強化を目指しているようには取れない。昨今グローバルでは、規制を強化するというよりは、現実的な対応が目立ってきていることから、次の危機が起きるまでは、大きな規制強化の動きはないように感じる。