新年明けて1/6にISDAなどの業界団体から、EUの市場リスク資本フレームワークに関する市中協議に対するコメントが発表されている。米国や英国での導入が遅れていることから、欧州も来年2027年1月に延期することを歓迎するとともに、さらなる緩和を求めている。
準備ができたところから完全移行しても良いが、他国と足並みをそろえたいところは、現行バーゼル2.5の継続使用を認めるようにとの要望も含まれている。また、所要資本が急増する銀行に対する激変緩和措置として、Capital Neutrality Multiplierというものが提案されているが、これを業界統一のMultiplierではなく、個々の銀行の状況を反映させて設定できるようにするオプションを支持している。また、一時は全く使えなくなるのではないかと懸念された内部モデル方式の採用を促進すべきとの要望もみられる。
トランプ政権発足後、様々なルールが変わってしまったように感じる。自国ファーストの政治のもとでは、国際銀行規制を厳格化するのは困難になっていくのではないだろうか。当然どこかの国が資本規制を緩めれば、その国の銀行は競争上優位に立ち、厳格な規制が適用される国の銀行は不利益を被ってしまう。FRTBに関しては一足先に導入してしまった日本が不利にならないよう、声を上げていく必要があるのだろう。
今回の意見書は、PL AttributionやNMRFなど、これまで問題視されていた項目も引き続き改善点として挙げられているが、それ以外にもREITの取り扱い、カーボン取引の相関パラメーター、トレーディング勘定に残せるような重要性閾値の提案など、かなり具体的な要望も含まれている。各行が、インパクトを計算した結果、個別に要望を上げているのだろう。
米国も延期や規制緩和の方向を動くだろうから、それに合わせて欧州も緩和や延期の方向に議論が進みそうだ。米国は様々な国際協調の取り組みから離脱しつつあるが、金融におけるバーゼルなどのイニシアティブからも距離を置き始めることになるのだろうか。