米国債クリアリングの行方

米国債の保有額は毎月公表されているが、ここのところ過去最高を更新し続けている。中国が着実に米国債保有額を減らしている中、日本と英国がそれを補う形で残高を伸ばしており、7月も過去最高となった。

海外投資家の占めるシェアは約9%程度だが、海外保有のうち13%近くを日本が占めている。関税の話はあるものの、中国の米国債売却ペースは非常に緩やかで、長年かけて徐々に減らしているように見える。10年程度前のピーク時には日本と同じくらいの$1.3tnあったように思うので、現状の$0.7tnはその半分に近づきつつある。

それにしても日本($1.15tn)、英国($899tn)、中国($731tn)のほかは、資産保有の方法によって使われるケイマンやルクセンブルクを除くと、すべて$400tn以下である。いかにこの3つの国のシェアが大きいかということがよくわかる。

6月には米株への資金流入が大きかったが、その反動もあって若干株への資金流入が減少している。それでも米国資産への投資は引き続き堅調のようだ。

2026年12月以降は米国債の清算集中義務が始まるが、日本の金融機関も一部関係してくるところがあるので、そろそろ準備を始める時期に入ってきた。延期によって少し息をつけるかと思っていたのだが、気が付けばもう1年ちょっとに迫ってきた。ここまで米国債の取引が多いのだから、米国債の清算集中規制に関しては米国を除くと日本と英国へのインパクトが大きいものと思われるが、目立って動き出しているところは少なそうだ。

既にCCA(Covered Clearing Agency)として登録されているFICCのほかに、CME Securities ClearingやICE Clear Credit LLCなどが準備を進めている。CMEの当局承認は9/30などと言われていたのでもうすぐだろうか。それともルールブックのレビューが再度延期されるのだろうか。

ICEの方もSECによってルールブックが開示されているが、申請自体が8/1でパブリックコメントの期限が10/6なので、承認は年末になってしまうかもしれない。やはり本格的に準備が始まるのは来年になってからなのだろうか。