少し前にDanske BankのCVA Capitalの減少が話題になった。昨年からCVAに関する所要資本が半分になり、10年前と比べると1/10くらいに減少している。この削減のほとんどがSA-CVAから来ているようで、個別CDSやTRSによるヘッジも同じように増えていることから、ようやく資本コストを意識したヘッジが、大手以外でも幅広く本格的に行われるようになってきたと言えるのかもしれない。
これでRWA全体に占めるCVA RWAの割合が10年前の2.5%から0.25%にまで縮小した。BA-CVAを適用しているポートフォリオからの削減幅は小さくほとんどがSA-CVAからの削減となっている。日本の大手ではローンのRWAがほとんどではあるものの、CVA RWAの割合は2%台後半で、地銀でも1%を超えているところが多い。したがって、日本でも同じような資本削減効果が達成できるのかもしれない。特にSA-CCRを適用している大手銀行、証券会社は同じような資本削減を試してみる価値はある。
Danskeの場合、CVAのRWAが約228.7mmとかなり小さくなってきたが、これは日本の大手地銀よりも小さい。以前は日本のメガと同じくらいのRWAだったのが、ここまで減ってくるというのは、ヘッジ以外の削減効果もあったのだろうが、それでもヘッジによる削減幅は相当なものなのだろう。
日本の場合はBA-CVAを適用しているところもまだ多く、なかなかヘッジでRWAを減らすのは難しいが、SA-CVAを適用している先進行では、今後こうしたリスク削減の動きもみられるようになっていくかもしれない。また、きちんとヘッジの効果が反映できることが確認できれば、BA-CVAからSA-CVAへの移行も活発化するのかもしれない。