LIBORからRFRへの移行によって清算集中義務がどうなるか、SEFやETPの対象取引にどう変更があるかということが、そのうち議論になってくるものと思っていたが、やはり最初に動いたのは英国で、清算集中義務の範囲をどうするかについての市中協議が開始された。締め切りは7/14となっている。
JPY LIBOR SwapについてはLCH等の一括変換直後の12/6からは清算集中義務から外れるとされている。すべてのLIBOR Swapが年末に公表停止となる前に、段階的に清算集中義務から外れることになる。そして新レートのスワップに清算集中義務が課せられていくこととなる。
新レートとしては、EURがEONIAが€STRに、GBPがSONIA
へと変更されるが、JPYについては、清算集中義務から外れるとしか書書かれておらず、後継指標の指定がない。
多くの国で一つのRFRへの移行が進む中、日本の金利市場では異なるアプローチが採用されており、現時点では、どのベンチマークが日本円Liborに代わって標準となるかはいまだ不明というのがその理由のようだ。そしてドルと円については、引き続き清算集中義務の範囲についてレビューを継続するとある。
円については、現段階では1つのベンチマークから別の単一のベンチマークに行われるとは考えられないため、流動性や取引量が円Liborからどの契約に切り替わるかは判断できないと書かれている。おそらくOISと同程度の取引量となっているTIBORが念頭にあるのだろう。
確かにシステム対応の遅れやヘッジ会計についての整理が終わらないために一時的にTIBORに流れることはあるだろうが、デリバティブ取引において、TIBORがLIBORの完全にとって代わると考えている日本の市場参加者は少ないのだろうが、外から見ると不明ということになるのだろうか。
後は日本の金融庁からのTONAの清算集中義務についてのアナウンスメントが待たれる。5年、7年、10年のLIBORスワップが対象となっている電子取引基盤規制の変更も必要だ。現状に鑑みると、12月に切り替えが行われるというのが最も自然に思える。いずれにしてもCCPで清算が不可能になれば清算集中もできないので、同じく12/6になると考えるのが普通だろう。そうするとETPの指標切り替えもこの辺りになるのだろうか。もしかしたら流動性がどうなるかわからないので、一定期間清算集中規制が適用されない空白の時間ができたりする可能性もあるのだろうか。
いずれにしても今年は忙しい年末となりそうだ。